キミと初恋。

「颯ちゃんはかすみの審査に引っかからなかったんだね」

「青井先輩は……そうだね。パスした唯一の人だったかもしれない」


私は一呼吸置いてから続けて話す。


「だけど、お姉ちゃんと別れる結果になったのなら、私じゃなくお天道様の審査に引っかかっちゃったんだね。私の審査よりもずっと厳しいから……」


どことなく、言葉を濁した。そうでも言わないと納得出来ない気がしたから。

お姉ちゃんと先輩が別れてしまった理由に。


この結果を選んだのはお姉ちゃん自身だけど、その結末をまだ引きずっている。

お姉ちゃんの気持ちはよく分かる。お姉ちゃん子な私にはとてもよく分かる。

それはお姉ちゃん仕草だったり、声色だったり、雰囲気だったり……。

私はお姉ちゃんのクセをよく知っている。だからこそ私は言葉を濁した。

目に見えないもののせいにしてしまえば幾らか気持ちがマシになるかもしれない……そう思って言った言葉だったけど、幾らにもマシにならないだろう事も分かっていただけに、私は思わず俯いた。


「かすみ」


俯いてすぐ、お姉ちゃんは優しい声色で私の名前を呼んだ。


「私とーぶんは彼氏いらないけど、かすみは作るんだよ。そういう報告待ってるんだからね」


そう言って笑うお姉ちゃんの笑顔は、今日一番のものだった。
夕日すら跳ね返すようなとびきりの笑顔。だけど、それが私の胸にシコリを残した。

だって、それはどことなく何かを吹っ切っているような笑みに見えたから。