「…え?」

「橋本さん、重いでしょ?」


それだけ言うと、私が左手で持っていたゴミ袋を右手で持ってくれました。


「…でも、私が頼まれた仕事だし…、」

「…俺がしたいんだ。…早く終わらせて帰ろ…」


先を歩く雨宮くんが振り返って、優しく笑ったのです。


「あ、ありがとう…」

「うん」

無表情に雨宮くんは頷いたのでした。



──私を見つけて、手伝ってくれる雨宮くんの優しさが嬉しかったんです。