「ネコ、可愛かったね」

「おぅ…」


私は、知りました。

雨宮くんの家の方角。
雨宮くんの出身中学校。


けどね。

「雨宮くんは、ネコが好きなんだね!新発見」

これが、1番の新発見なんだよ。


ふふふと笑うと、雨宮くんは少し照れたように頬を赤らめました。


「俺も…新発見。
…橋本さんは、話すのが好きで、ネコの相手が得意」


「え?」


「橋本さん、いつも教室では静かだろ?」


「へぁ?」

思わず変な声が出てしまいました。

そして、見つめた雨宮くんの真剣な瞳が私を捉えていました。



「話してみたかった…橋本さんと。
…また、一緒に、帰りたい…」


雨宮くんは、照れたようにハニカミながらそう言いました。


思いがけない言葉に、
───かぁぁぁぁぁと、顔が赤くなるのを感じました。