それでも何もできないということなんだ。


あたしは窓の外を見るのをやめて自分の席に戻った。


「投票時間を早めない?」


彩が不意にそう言い出した。


「どうして!?」


裕司が聞く。


「晴哉がいつまでもあの状態だとは限らないでしょ。どうせ殺すなら今の方がいいと思わない?」


そう言って、彩は晴哉を指さした。


晴哉は自分の名前が飛び交っていてもなんの反応も見せなかった。


投票結果が早く出ても、逃げる事ができるかどうかわからない状態だった。