「…おい」




私が固まっていると、後から少し不機嫌そうな声。



た、助かった!




すかさず振り返ると、いつの間にか撮影を終えた雨宮さんが上半身裸のまま腕組みをしていて。




「お、おおおお疲れ様ですっ…!」



結局また向き直ることになって、頬は再び熱を帯びた。




「雨宮さんおはよーございますっ」




「…お前ら知り合いか」




「初対面ですけど、可愛かったんで、つい」




「ならさっさと離せ。俺の連れだ」




「へぇ!」




私と雨宮さんを交互に見た彼は、思いのほか簡単に手を離してくれた。




「それは失礼しました。さすがの俺も雨宮さんの彼女に手出せるほど身の程わきまえてないわけじゃないんで」