雨宮さんと顔を合わせることなく数日が過ぎた。




今度は私が怒るような形になり、謝ろうと帰りを待ってみたこともあったけどタイミングが合わず。





と言っても腹を立てているのは私なんだから、私から謝るっていうのも変な感じだけど。




「じゃあ1回通すよ」



放課後の体育館に、圭吾先輩の声が響く。





文化祭まであと、1週間。


校内はすっかり文化祭モードで、校舎のあちらこちらで準備をする生徒の姿が確認できる。




きっとうちのクラスでも何人かはまだ作業をしているんだろうけど、私は演劇部の練習に参加していた。





「衣装以外は全部本番通りいくからそのつもりで」




「「「はい!」」」




台本を片手に真剣な表情で部員を集めた圭吾先輩に、みんなが声を揃えて返事を返す。





クラスの出し物は練習なんていらないけど、演劇部はそうもいかない。





「"サチ"」




舞台の上で私の手を取る圭吾先輩。





「"また、会えるかな?"」





圭吾先輩は部長ってだけあってやっぱりとても演技が上手くて。




「"……いえ、これきりです"」





こんな至近距離で見つめられると少しドキッとするけど、雨宮さんの時とは全然違うなと思う。