私だけの月になってよ。


すると倉庫のドアが開いて1人の女の子が立っていた。

「綾斗いる?」

綾斗の名前を呼ぶ透き通るような声が倉庫内に広がっていった。

「ん? あぁー 恵美来てたのか」

恵美と呼ばれた女の子は綾斗の方に向かって嬉しそうに走っていった。
可愛らしい笑顔で綾斗に話しかけるこの子はきっとあの綾斗の彼女さんであるんだと確信した。


「あっ、翔弥と光も久しぶり!元気だった?」

「元気やで!相変わらず恵美は元気やねんな」

「そうだね 綾斗といる時の恵美は女の子になるからのー」

翔弥と光さんは恵美さんという人と話していた。
恵美さんの視線は2人から私に向けられた。

「あれ?初めて見る顔ね あなたは?」

恵美さんという方は険しい顔で私を見つめた。

「星川 愛栞といいます 翔弥と綾斗に危ないところを助けていただきました 」

私は素直に話した。すると、恵美さんの顔は険しい顔から明るいあの可愛らしい笑顔に変わった。

「そうだったの! 大変だったね 私、村瀬 恵美(むらせ めぐみ) 宜しくね 」

「はい よろしくお願いします」

「私、堅苦しいの苦手なの だから、普通に敬語とか無しで話してね 名前も呼び捨てでいいから」

そう、自己紹介を終わらせて仲良く握手しながら話していると、後ろから綾斗が恵美に話しかけた。

「そういや、恵美 聞けよ あの翔弥が自分の後ろに愛栞を乗っけたんだぜ」

綾斗が翔弥が私を後ろに乗せたことを恵美さんに話した。すると、恵美の顔は驚いた表情になった。

「はぁ!? あの翔弥が!?だって、今まで何があっても後ろに女の子乗せなかったじゃん どういう風の吹き回しよ」

翔弥さんはホントにどんな理由があっても女の子を後ろに乗せないのだと感じた。

綾斗からも恵美からと驚かれた翔弥は平然とした顔で答えた。

「ん?綾斗の後ろは恵美の特等席やろー だから俺の後ろなのだよ」

「翔弥お前さっきから口調おかしいんだけどよ 内容よりその口調が可笑しすぎて頭入ってこねぇよ」

綾斗がそう言いながら翔弥の方に手を置いているのを私は見ていた。
すると、私の肩を誰かが叩くのを感じた。

「お2人さんよ この子はどうする気なんだい? 怪我してるんやろ?」

肩を叩いたのはさっき知り合った光さんだった。

「やべぇ、わりぃー 忘れてたぜ 恵美、救急箱頼む」

「えっ!?そうなの!?ちょっと早く言ってよ2人とも!大丈夫!?すぐとってくるね!!!」

綾斗は、恵美に頼んで救急箱を持ってきてもらった。恵美、綾斗に言われた通りすぐに救急箱を持ってきて私の手を手当てしてくれた。

「よし!これで大丈夫だよ愛栞」

「うん ありがとう 恵美」

恵美は優しく微笑んだ。そしてバイクのカギを持って翔弥がやってきた。

「よし 手当ても済んだから親も心配してるだろうし家まで送るわ」

バイクのカギを指でくるくる回しながら翔弥はそういった。

でも、家に帰ったからって私以外誰もいない。一人暮らしだから当然ではあるのだが本当に私意外家族はいない___.....帰る家なんて私にはない。
でも、そんなことを今日あったばかりの”朔夜”のみんなに言っても仕方ない。私は翔弥に対して完璧な作り笑顔を向けていった。

「大丈夫だよ 暗いけど歩いて帰るから ありがとう それじゃあ、迷惑かけてごめんね "バイバイ"」

私は、倉庫を出ようと早歩きをした。しかし、翔弥は私の腕を強く掴みそのまま倉庫の奥へ連れて行った。
そんな翔弥は綾斗に向かってありえないこと口にした。


























































「綾斗、こいつ今日からここに住むから」