私だけの月になってよ。



お店を出るころには外はもう真っ暗だった。
淳也さんは外はもう暗いからと送ってくれようとしたのだが、店の片づけもあるし迷惑をかけたくないので断った。

「愛栞ちゃん気を付けるんだよ」
「ありがとう淳也さん じゃあね!」

淳也さんに手を振りながら私は真っ暗な通りを早歩きをしながら帰った。


この通りは真っ暗なせいで拉致りやすいということで有名だったりもする。そんな所を女が1人で通っているのだから何も無いわけがない。

グイッ!!
いきなり、腕を掴まれて後ろに引っ張られた。振り向くとガラの悪い男が3、4人私を囲んでいた。

「な、何なんですか!あなた達は」

1人の男がニヤリと不敵な笑みを浮かべて私を見つめていた。その笑顔がとても気持ち悪くそして怖かった。

「離してください!」

「ねぇ、彼女 可愛い顔してるじゃん 俺たちと楽しいことしようぜ」

「嫌だ!離して!」

私でも分かる。こいつの言ってる楽しいことが絶対楽しくないことくらい。
必死に抵抗するものの女1人の力が男にかなうわけがない。
そして、そのまま連れていかれようとした時...-


「お前ら、俺らの目の前で何してんだよ」

低く、誰が聞いてもドキッとするようなそんな声が響いた。
声の方向を見ると、赤髪の男と黒髪に眼鏡をかけた男がそこにいた。

「なんだてめぇら!!とっとと失せやがれ!」

「本当、マジだりぃんだけど お前らが消えてくんねぇかな?」

「綾斗落ち着いて」

そう言って赤髪の男を落ち着かせようと黒髪の人が声をかけるが赤髪の人は声が聞こえてないのか恐ろしいほど男たちを睨んでいた。
背中が凍りつくような目で睨まれた男たちは震え上がった。

「おい、こいつら 見たことあると思ったらあの朔夜の...」

「俺らの顔知ってんだったら失せろ」

「お前ら帰るぞ!!」

男たちは2人の男にビビリそのまま帰っていった。

「大丈夫だった?」

黒髪の男の人が優しく声で私に話しかけてきた。そして、手を私に差し出してきた。

「はい、ありがとうございます」
私はその手を掴み引っ張られながらゆっくり立ち上がった。

「女が1人でこんな拉致られやすい場所歩いてんじゃねぇよ」

「ごめんなさい...」

「怖い思いをしたんだ そんなきつく言うなよ 綾斗」

「ったく、家どこらへんだ?近くまで送っていくぜ いいよな 翔弥」

「いえ、私は大丈夫なんで」

せっかく助けてもらってその上送ってもらうなんて迷惑だと思い断ろうとしたが...

「そうだな その方がいい それに君の手、怪我してるし」

手を見てみると気づかない間に手を怪我をしていた。

「手当てさせて、終わったらちゃんとお家に帰すからさ」

「また、拉致られても困るしな」

「こら、綾斗 女の子に失礼だぞ」

「あいよ」

「さて、じゃあ 行こうか」

そう言われ、仕方なく彼らについて行くことした。