文化祭当日。
私はどきどきしながら、書道室の受付係をしていた。
先輩は、来てくれるだろうか。
書道の授業時間に書いた作品に、書道部員の条幅の作品。
所狭しと並んだ作品の中に、私の自由課題の作品も並べられていた。
いつもより賑やかな学校。
色とりどりのバルーンや、屋台から漂ってくる美味しそうな匂いが校舎を彩る。
文化祭特有の浮ついた空気が、気持ちをさらに昂ぶらせる。
「お客さんの入り、順調だねえ。」
隣に座る同級生が、嬉しそうに書道室の中を眺める。
「そうだね、ほんと良かった。」
その子に返事をしながらも、私の気持ちは心ここにあらずの状態だ。

