「良いじゃん、胡依が書きたいことを書けば。自信持て。俺は、胡依の字が好きだ。」
昼下がりの、たっぷりの日差しを髪に受けながら、陽介先輩はそう言って微笑んだ。
「…はい!」
私も陽介先輩につられて、微笑み返す。
私の返事に満足気に頷くと、先輩は私の髪をぐちゃぐちゃに撫で回して、俺も久々に書こうかな、なんて言いながら筆を取りに行ってしまった。
…決めた。
書きたいこと。
そんなのはじめから決まってる。
「陽介先輩!!」
私が先輩を呼ぶと、きょとんとした顔で先輩が振り返る。
「文化祭、見に来てください。絶対ですよ!」
私は貴方に伝えたいことがある。
きっと、言葉じゃ上手く言えないから。
だから、私は想いを紙に紡ぎだす。
この一筆に、想いを込めて。

