ここは、高校の書道室。

私は、書道部員だ。
昔から紙に向き合って筆を握ると、自然と落ち着いた。嫌なことがあっても、字を書いているうちに心が静まる。
…なんていうのは少し大袈裟だけど、純粋に字が綺麗に書けると嬉しい。


けして上手いわけではないけれど、書道部というゆるい部活は、体育会系のように激しいのは遠慮したいけれど、何かをしたい私にはちょうど良かった。



普段地味に見られがちな書道部だけど、意外とそうでもない。色んな人がここには居る。



…教室を賑わせるこの人も、例外ではない。