「ユズ、またあの人のこと見てたでしょ」

「っ…」

「バレバレ。今日は帰りも同じ電車でよかったね」



ニヤニヤしながらからかってくる友達を少しにらんで、視線を落とす。



「ねえユッキー、明日の放課後アイス食べに行こうよ」

「あー、悪い。明日は実行委員の会議あるんだわ」

「えー、つまんないのー」



いつも一緒にいる、綺麗に巻かれた髪の可愛い女の子が頬を膨らます。


…あの子と、付き合ってるのかな。

彼女なのかな。



でも、あんなに素敵な人に彼女がいないなんて、そんなはずないよね。