「よ、良かったら使ってください!」
折り畳み傘を渡して、その勢いで電車を降りた。
…と。
「待って!」
「え…」
ユッキーが降りた瞬間、ガシャンと閉まったドア。
ユッキーの降りる駅は、もっと先なはずなのに。
「…家まで送るから、一緒に入っていかない?」
少し頬を赤く染めるあなたに、期待してしまいそうだ。
「いや、悪いです…!
うち、結構遠いので…」
「でも君の傘だし、家まで送った後、この傘そのまま貸してくれたら助かる…」
「は、はい…」
思いがけない相合傘に、ドキドキして心臓がおかしくなりそうだ。
「…いつも、同じ電車乗ってるよね」
「そう、ですね…」
覚えてて、くれたんだ。
ていうか、何で私、こんなつまらない答えしかできないんだろう。



