先生、先生。



本当に、たくさん困らせてしまってごめんね。


「先生、たくさんたくさんありがとう。そして、ごめんなさい」



「新沢さんが謝ることなんて、一つもないんですよ」



「……先生は、最後まで優しいね。本当に……やめてよ」



あぁ、涙が、涙が溢れそう。


先生のせいなんだから。



「だめだ。これ以上ここにいたら、帰れなくなる」



ずっとここにいたいと願ってしまう。



「先生、忘れないでくださいね。私、ずっとずっと先生のことが好きですから!」



「ありがとう。私も、あなたのその真っ直ぐさが好きですよ」



初めて、先生が私の好きなところを言ってくれた。


あぁ、涙が



「新沢さん?」



一粒、こぼれ落ちた。



「先生、先生、先生」



「大好きです。これからも、頑張って」



――ください。


最後は、唇が震えすぎてちゃんと言葉にできなかった。



ドアを開けようとすると、先生の声が私を引き止めた。



「待ってください。あなたに、渡したかったんです」



「……お花?」



「はい、花です。名前、わかりますか?」



「ううん、分からない。なんて言うの?」



「紫苑です。私の思い、受け取ってください」



顔は涙でぐちゃぐちゃで最悪の顔だったけど、最高の笑顔を先生に向けた。



「ありがとう、先生」



「こちらこそありがとう。向こうでも、真っ直ぐ突き進んで頑張ってください」



さようなら、そう告げて私は保健室をあとにした。