先生、先生。

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「先生!」



「はいはい、何ですか?新沢さん。……って、顔ぐっちゃぐちゃじゃないですか」



「思ってても言わないでよ、先生。もー、友達がいい人過ぎて泣くの我慢出来なかった」



「そうなんですか」



今日はついにお別れの日。


朝から友達が泣きながら寂しいなんて言ってくるから、涙腺が崩壊してしまった。


朝からさっきまで泣きっぱなしだ。



「もう、やり残したことはないですか?」



「……ないと言ったら嘘だけど、あると言っても私のものにはならないから、ないね」



「嘘つきはいけませんよ」



先生は、目を細めて笑った。


分かっているくせに。


先生、私のやり残したことは、先生に私の好きを伝えて心に響かせることなんです。




「先生、好きです、大好きです。世界で一番好きな人です」



だから、付き合ってくれませんか。


本当はここまで言いたい。けれど、ここで踏みとどまらないと私たちの関係は崩れちゃうね。



「私より、素敵な人はたくさんいますよ」



「私からして素敵な人は、先生だけですから」



「本当に、困った人です」