走っている彼を、目で追いかけた。 部活仲間がそれぞれの場所で彼を見る中、私はいつもの場所で立っていた。 彼はいつも二回走る。 だから、一回目は目で追いかけるだけ。 「もう一回、お願いします」 彼が戻ってきて、またスタート地点に立った。 タイミングを見計らって、声をかけた。 前からじゃなく、後ろから。 「宇川くん。今日も相変わらず、かっこいいね。好きだよ」 告白した。