「梨々花、ごめんね。私のせいであんまり回れなくて。」
時音は、肩身が狭く感じていた。自分が気分を悪くしたせいで梨々花が楽しむはずだった時間を、潰してしまったように思っていたからだ。
「気にしないで!時音が気分を悪くしたのは、半分以上私のせいだし!ごめんねー!」
梨々花は、回れなかった事をあまり気にしていないようで時音はホッと胸を撫で下ろした。
「さぁ、帰ろう。あっ、お土産なんか買っちゃう〜?」
彩さんのひと言で早速、出口のお土産売り場へ向かった。
「あーと、提案なんだけどさぁ〜?皆でお揃いを作りたくない?」
今まで疲れすぎて喋られなかった、美花が思わぬ提案をしてきた。それに皆がのり、お揃いにするお土産を探すことにした。
目の前にある沢山の種類のお土産とにらめっこしながら、時音は悩み込んでいた。
「種類多すぎ…。」
そうつぶやいた時、突然幹人の声が聞こえた。
「これにしたいんだけど!」
皆で幹人の声のしたところに行くと、幹人の他に雪斗、莉久のいつもの3人組で集まっていた。
「コレ、どうかな?」
3人が出したのは、白くまがモチーフの遊園地のマスコット“くまたろう”のキーホルダーだった。
「これのどこが決め手なの?」