「ハァ!?何それ!なんなのよ、それ!!どうしてセイラがハルト君と!?」

「声が大きい!」

蘭の口元を押さえると、蘭はうんうんっと2度うなずいた。

「で、で、どうしてそうなっちゃうの?」

本人は押し殺した声で話しているみたいだけど、きっと周りの子には筒抜けに違いない。

でも、まあそれはそれでいいかもしれない。

噂好きの蘭なら二人が付き合っていることを知れば、それをすぐに広めるだろう。

その噂はきっと瞬く間に校内に広がるはず。

そうすれば、嫌でもあたしはハルトを諦めなければいけない状況になる。

自分の意思で諦められないならば、人の手を借りるのも一つの手だ。

「なんでって言われても。お互いに好きだったんじゃないの?」

「ハァ!?んなわけないでしょ!?ハルト君は間違いなくアンタのことが好きだったもん!」

「まさか。だとしたらセイラと付き合うわけないじゃん?」

「いやいや、ありえない!!あっ、ていうか……もしかして……こないだのあれのせいだったりする?」

「え?」

首を傾げて聞き返す。