あたし達は親友なのにすべてが正反対だ。
うちはお金がなくてボロいアパート暮らしで子だくさんの大家族。
父は小さな工場の契約社員で母は近所のスーパーでパート。
ギリギリの生活。
私はと言えば、運動だって勉強だって平均より少し下。
賞状をもらったことだって一度もない。
習い事は小学生の時にやったそろばん教室だけ。
それも家庭の事情で数か月で辞めた。
真っ黒で湿気を含むとうねってしまう髪の毛。
日焼けしやすくすぐに真っ黒になってしまう肌。平均的な手足の長さ。
手を叩いて大笑いするクセ。下品な笑い声。並びの悪くいびつな歯。
長期休みにいくのは、小さな弟たちの楽しめる乗り物一回100円の電車で30分ほどの激安遊園地。
そんなところでお土産なんて買えるはずもなく、あたしはいつもセイラにもらってばかりで虚しさを抱えていた。
何もかも違うのだ。セイラとあたしは。
どうして今まで気付かなかったんだろう。
あたしがこんなにも劣等感を感じるのはセイラと一緒にいるからなのだと。



