ハルト君と同じ高校に入学し、付き合える機会をうかがっていたのに邪魔が入った。

そう。真子とセイラ。

真子がセイラに劣等感を抱いていたことも知ってたし、真子の自尊心を傷つけるようなことを言ってセイラとの仲を滅茶苦茶にしてやろうって思ってた。

あることないこと嘘をついたけど、真子ってば全部信じてたっけ。

女の友情ほどもろいものはない。

いつだって嫉妬と憎しみをごちゃまぜにしたような黒い感情を誰だって持っている。

その感情を表に出すか出さないかはその人次第。

「蘭……ありがとう」

「あたしはずーっとハルト君のそばにいるから」

ハルト君は隣に座るあたしをギュッと抱きしめる。

あぁ、幸せ。ずっとこうなることを願ってたの。

ハルト君の気持ちにこたえるように背中に腕を回す。