「真子はセイラちゃんと中学からの親友だもんね。セイラちゃん、今が一番苦しい時だと思うよ。だから、今度はちゃんと真子が支えてあげなさい」

母は真っすぐあたしの目を見つめた。

シュークリームを食べたはずの家族に異変は見られない。

まさか――。あたし、リカにハメられた――?

「――ちょっと出かけてくる!!」

あたしは勢いよく立ち上がると、駆け出した。

まだセイラ、ううん、リカは遠くへは行っていないはずだ。

お願いだから間に合って。

あたしはアパートの扉を力いっぱい開けると、外に飛びだした。