ごくりと生唾を飲み込み、林君の言葉の続きを待つ。

それはあたしだけではなかったようだ。

クラス中が林君の言葉に意識を集中させている気がする。

「お前、声でかいから」

「でかくな――」

何かを言いかけた林君とバチっと目が合った。

林君はヘラっと笑うと、隣にいるハルトの耳元でそっと何かを囁く。

ハルトが振り返ってあたしに視線を向けた。

目が合い思わず首を傾げると、ハルトはハッとしたように息を吸い込んで弾かれたようにあたしから目をそらした。

「おいおい、ハルト!お前分かりやすすぎだから~!」

林君がゲラゲラと大声で笑いながらハルトの背中を叩く。

なに……?今の反応って……まさか……。

頬がジンジンと熱くなり、体温が急上昇したみたいに火照る。

口元が緩んでそれを隠すようにうつむく。

まさか……ね?

うぬぼれだって自分自身を戒める。

でも、なぜかそれと反比例するみたいに期待してしまっている。

もしかして……ハルトの好きな人って……あたしなの……?