「あたしが知る限りでは3人目かな」

「マジか。すげぇな」

ハルトは感心したように声を漏らす。

「セイラは昔からモテるもん。だって、あの容姿だよ?好きにならないほうがおかしいから」

160センチほどの身長に長くて細いしなやかな手足。雪のように白い肌。

髪はクセのないサラサラのストレート。

小さな顔の中にあるすべてのパーツは整っている。

美人と可愛いの両方を兼ね備え、特に照れ臭そうにはにかんだ笑顔は女のあたしから見ても心臓を撃ち抜かれるぐらいの破壊力がある。

しかも、それでいてその美貌をひけらかすことなく誰に対しても平等で優しくて気遣いのできるセイラ。

お父さんは大きな美容系会社の社長さんでお母さんは金融系の会社で働くバリバリのキャリアウーマン。

由緒正しいお家柄で、祖父は北関東にある地域一帯に広大な土地を持つ地主で、そのあたりでは名の知れた血筋らしい。お金持ちでなおかつ家柄もいい。

神条セイラという名前もセイラならば名前負けしない。

セイラの粗を探そうとしても、何一つ見つからない。

『眠りが浅いみたいでよく怖い夢をみるの』ってセイラはよく言ってるけど、そんなの欠点ではない。