『隣だから話聞こえちゃったの。あたし達ミスコンの担当の係やってる3年なんだけど、あなたは明日のオーディションには来ないでね?』

『毎年、あなたみたいに可愛い友達にくっついてきてオーディション受けようとする子がいるんだけど、正直人数増えて迷惑なんだよね。そもそも可愛い子にはちゃんとオーディションに来るようにって事前に声をかけてるんだから』

『だーかーら、友達の付き添いでオーディション受けて自分のほうが受かっちゃうとかいう夢物語なんてないよ、ってこと』

あたしに嫌味を言った先輩。

「アンタ、それ大丈夫なの~?」

「まぁ、なんとかね」

「それにしても、学校の階段から転がり落ちるとかありえないから」

「何度も言うけどさぁ、あたしは自分で落ちたんじゃないんだって!!誰かが背中を押したんだって」

「ハァ~?誰がそんなことすんのよ!でも、よかったじゃん。死ななくてさ!」

「なにそれ、マジで笑えないから!」

友達にからかわれて不快そうな声を上げる先輩。