机の上の落書きの件は担任にこっぴどく叱られただけで終わった。

ケンカをしてお互いの机に【死ね】と落書きするなんて小学生でもやらないと呆れられた。

でも、そんな単純なことではなかった。

セイラはあの日から様子がおかしい。

そして、あたしの周りでもとにかくおかしなことが立て続けに起こるようになった。

「うわっ、学食混んでるね~!」

「だね。とりあえず、席とっちゃおっか」

お昼になり蘭と一緒に食堂へ向かい、空いている席を確保する。

「じゃあ、あたしなんか買ってくるから。真子は先にお弁当食べててもいいからね~」

「うん」

蘭の背中を見送ってすぐ、向かい側のテーブルに座る人物に気が付いた。

頭を包帯で巻き、腕にギプスをしているのは以前クレープ屋さんで隣の席になった先輩だった。