「何……これ……」

呆然と机に書かれた文字を目で追っていると、蘭が駆け寄ってきた。

「真子、大丈夫?」

「うん……。ねぇ、蘭。これって……」

「セイラだよ!ビックリじゃない!?さっき教室に戻ってきたと思ったら、マジック取り出して真子の机に……!」

「やっぱりセイラだったんだ」

「やっぱりって?ていうか、真子、首赤くない?どうしたの?」

「ううん、何でもない」

答えながらセイラに視線を向ける。

セイラは何食わぬ顔で席に座り、本を読んでいた。

「ていうか、セイラヤバくない?どうしちゃったのよ、あの子!みんなドン引きだから」

蘭の話が頭に入らない。

さっきまで収まっていた鳥肌が再び腕に浮かび上がる。

あたしはセイラを甘く見ていたのかもしれない。

中学からの親友であったセイラの狂気的な行動に恐怖を覚えた。