「ちょっと、あれなんなのよ~?」

あたしの席にやってきた蘭が顎でセイラのいる方向をさす。

「知らない。勝手にやらせておけばいいんじゃない?」

「勝手にって……。アンタ、ハルト君のことセイラにとられても悔しくないわけ?」

「別に。そろそろハルトとも終わりかなって気がしてたし。別れて清々した」

保健室の話は蘭にしていなかった。

セイラにハルトを寝取られそうになったなんて蘭に知られたくない。

そんなのあたしのプライドが許さない。

「それに、セイラには怜音先輩がいるでしょ?」

「あれ……?真子ってば、知らなかったの?」

「なにが?」

「先輩とセイラ別れたんだって」

蘭の言葉に絶句する。

先輩とセイラが……別れた?

「どうして、急に……」

「噂だと、セイラが原因みたいだよ」

「どういうこと?」

「さぁ?あたしにも詳しくは分かんないけどね」

蘭は首をすくめた。