「何も知らないとか思ってるわけ?」

「え……?」

「ぜーんぶ、知ってるんだから」

冷めた表情を浮かべるセイラに背筋がぞくりとする。

「机の上に花を置いたのだって真子がやったんでしょ?親友って言ってたのに、そうやって簡単に裏切るんだね?」

「なんであたしが責められないといけないわけ……!?悪いのはセイラでしょ……!?」

「全部あたしが悪い……?本当にそう思ってるの?」

「当たり前でしょ!?」

「ふーん。まぁ、どうだっていいけど」

セイラはプイっとあたしから顔を背けると、そのまま背中を向けて歩き出す。

なに?なんなのよ。セイラの態度にいら立ちだけでなく困惑してしまう。 

あんな態度のセイラ初めて見た。

間違いなくセイラなのに、セイラじゃない。

まるで違う誰かに乗り移られているみたいだった。