拓「バーカ。俺は、好きなプリンセスが困ってるのを助けるナイトなの。」







プリンセス??








私が??








柄じゃないわね。








拓「てなわけで、はい。」








峰谷は、傘を私に渡してきた。








『はい??』








拓「だから、この傘差して帰れっていってんの。ホントは相合傘をしてもいいんだけど、お前嫌がるだろ??」








『当たり前じゃない!!でも、私に傘なんか貸したら峰谷が濡れちゃうじゃない...。』








予備の傘とか持ってなさそうだし。








拓「俺はいいんだよ。ほら、さっさと帰った帰った!!」








『ちょっ...!』








峰谷は、私が傘を持つのを確認すると校舎の中へ再び入ってしまった。







『これ...どうすればいいのよ...。』








私は、峰谷の傘を仕方なく借り、傘を差して家に帰った。







その時、何故か、頭の隅で峰谷のことを考えてしまっていた。







そう、自分でも無意識に。