あの日から
一ヶ月後に雷鳥を潰した。

内部を知っている実稀君が
いてくれて助かった(笑)

闇は悔しそうに私達を
睨んでいたけど、どうでもよかった。

雨竜が雷鳥を潰した翌日に
闇の正体が学校中にバレた。

さて、此処である矛盾が生じる。

そう、闇が雷鳥の姫ということは
あたしがいじめる理由はないということだ。

そして、初めて、雪花の連中は
間違いに気付いた。

アホばかりだ。

総長があれじゃぁ仕方ないか。

琢海と泉以外の三人は
最初からあたしがいじめたと
話も聞きもしないで決め付けてたよなぁ。

まぁ、アホ共が誤解してくれた
おかげで雨竜の皆に出会えたから
そこだけは感謝してやらないでもないかな。

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あたし達は今、屋上にいる。

メンバーは雪花の幹部三人、
あたしと実稀君をを含めた雨竜の幹部六人、
そして、今回の主犯である闇だ。

四人は気まずそうに俯いている。

それもそうだろう。

闇本人はともかく、
三人はあたしの話を聞かずに
否応なしに追い出したんだから。

「茉緒里ちゃん、ごめんなさい!!」

最初に口を開いたのは幸歩だ。

『茉緒さんの名前を呼ばないでくださいませんか』

あたしが何か言おうとする前に
侑君が何の感情も籠ってない声で言った。

何時もの優しい声でもなく、
キレた時のタメ語でもなく
本当に何の感情も籠ってない声色だ。

ただ、雰囲気から此処にいたくないオーラが
犇々(ひしひし)と伝わってくる。

気持ちは分からなくもないけど(苦笑)

『次からは両方の話を聞いてから判断することね。

泣いてる方が“被害者”とは限らないんだから』

今回はあたしが雨竜に拾われて
生きてたからよかったものの
実稀君の彼女さんみたいに
自殺してしまう人だっているんだから 
ちゃんと両方から話を聞いた方がいい。

これを言いたかっただけだから
それだけ言って、雨竜の皆と
屋上を出て、倉庫に向かった。

やっと終わった。

この先、雪花の連中が
話かけて来るかもしれないけど
馴れ合うつもりはない。

受け答えくらいならするけどね。

あたしの居場所は雨竜の所だ。

真実は目の前に。