それは、
運命の采配か悪魔の悪戯か……

実稀君と買い出しに
行ったのが始まりだった。

倉庫の冷蔵庫が空に近くなり
毎日、二人一組で
買い出しに行っていた。

「え……実稀さん?」

そして、今日は
あたしと実稀君で
行った帰り、
雷鳥の幹部に見つかった。

「弘士か……」

荷物を持ったまま
実稀君がため息を吐いた。

「何で、実稀さんが
雨竜の姫といるんですか⁉」

最近、来なくなった仲間が
敵の姫といたら
そりゃ、吃驚するだろうなぁ(笑)

「俺が“雨竜の仲間”
だからに決まってんだろう」

何の躊躇いもなく
あたし達を“仲間”って言ったね(๑•᎑•๑)

『元お仲間さんが
ポカーンとした表情(かお)してるよ』

笑いそうになるのを耐えながら
(多分、肩がふるえてるけど)
言うとニヤリと嗤った。

『ほっとけ。

さっさと倉庫に帰るぞ』

元お仲間さんを無視して
あたしの手をひいて歩き出した。

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『ただいま』

やっぱり、皆がいる
此処が一番落ち着く。

「スーパーで雷鳥の幹部にあって
俺が雨竜の仲間だって言ったから
直ぐに雷加の耳に入るだろうよ」

冷蔵庫に買ってきた物を
しまいながら、実稀君は
事も無げに言った。

その言葉に倉庫の中に
笑いが広がった。

「実稀ナイスだ」

礼君が側に来て実稀君の肩を叩いた。

同い年の礼君、侑君、実稀君は
結構、仲がよかったりする。

『あの幹部君の表情(かお)を
見せてあげたかったな(笑)』

あたしがそう言うと実稀君も頷いた。

「あれは傑作だったな」

二人で思い出し笑いをした。

「そんじゃぁ、
二週間後に雷鳥の倉庫に
実稀の彼女と茉緒里の
復讐に行くとするか(ニヤリ)」

礼君が総長の表情(かお)になった。