『相馬くん、今日はありがとう』
その日、相馬くんはシュートが入るようになるまで練習に付き合ってくれた。
ううん。正確に言えばその日から毎日自主練に付き合ってくれた。
何種類ものシュート。
ドリブル。
ディフェンス。
相馬くんは自分が持つ技術を惜しみもなく私に教えてくれて、私はその指導のお陰で上手だとまではいかなくても人並みにまで進歩した。
『なんで私に教えてくれるの?』
ある自主練の時、疑問に思ってそう聞いたことがある。
相馬くんは私の質問に少しだけ微笑んで、
『バスケが好きって伝わってくるから』
そう言ってくれた。


