「晴達が逃走したあと俺は大変だったんだぜ!客が全員“駆け落ちだっ!”とか色々騒いでさー」

戻ってきた私達は着替えてから、翔くんの元へ向かった。
そこでは、翔くんは大変な目にあっていたようで。

「全くな、逃げるなら事前に行っておいてくれよ」

「翔くん、ごめんね」


「彩月ちゃんは許す」
晴からの謝罪が聞きたいなぁ、と晴くんを刺激する。


「謝ってあげてもいいけどさ、元々言ってなかった方が悪いよねぇ」


「くぅっ!晴はそう言うと思ったぜ…」
「まぁ、悪かったとは思ってるけど」
「謝るわけな、…………え、」


困惑している翔くんに茉莉ちゃんな近づく。

「和久井くんが謝るなんてね〜」
「はぁ?俺だって謝るけどぉ」

「ね?彩月」


急な同意を求められる。
まぁ、晴くんは優しいし、謝ってくれる、と思う。

「うん」


すると、目を点にしている前二人。

「えっちょっ、晴って女子の名前呼ぶのかよ!?」
「急にどうしたの!?」

慌てる二人。
きっと、逃げてるあいだに付き合ったなんて思わないだろう。


「何って……ねぇ?」
「〜っ」

優しく微笑んで、こちらを向く晴くんの顔が見れない。
恥ずかしすぎる。
嬉しい。


「ま、まさか……っ!」

なにかを察した茉莉ちゃん。

「うゎぁぁん、私の彩月がぁぁ」
「ま、茉莉ちゃん!?」
「和久井くん!!彩月のこと大事にしてよ!私の親友なんだからね!!」
「そ、そんな恥ずかしいこと言わないでよ〜」
「当たり前でしょ」
「まじかよ、え、まじかよ!?」
「まじだけどぉ」
「彩月ちゃんが晴の、え、おま、早いだろ!?」
気づいたのつい最近だろ?と、驚く晴くん。

「私も、気づいたの最近だよ…?」
「別にこれが普通なんじゃないの?」





「お互い恋愛経験ゼロか…」
「これは晴が頑張るしかねぇな…」