授業の途中で、成宮先生の寒いジョークを挟みながらも、進んでいく。
黒板に書いては消して、の繰り返し。
日直が綺麗にした黒板が、白く霞んでくる。
「ふぁ……」
……眠い。眠すぎる。
授業開始10分。
私は既に睡魔に襲われていた。
起きなきゃと、寝てはいけないと頭では考えるが、体はとても正直で……。
ゆっくりと重いまぶたが落ちてくる。
お昼に美味しいお弁当を食べて、お腹がいっぱい。
午後になり、陽の光が差し込む教室はぽかぽかと気持ちがいい。
おまけに、授業という名の子守唄と来たもんだ。
これは、もう寝てくださいと言っているようなものじゃない?
自分の中の『寝てはいけない』という気持ちと、『もうダメ、寝てしまえ』という気持ちのふたつが格闘する。
しかし、8割くらい勝って、私は気持ちよく夢の中へと落ちていった。



