「それって、玲央くん、茉莉に気があるじゃないの?」
何かと思えば、ニヤニヤと口元を緩ませながらそんなことを言い始めた悠陽ちゃん。
「なっ、そんなはずないよ!……多分」
きっと結城くんは、私のことをからかっているだけ。
いいおもちゃだと思ってるんだよ。
「まぁ、茉莉の初の彼氏じゃないっ。何はともあれ、楽しみなさいよ」
どうやら、面白がってるのは結城くんだけじゃないみたい。
悠陽ちゃんたら、人の気も知らないで……
「でも、あの玲央くんがね〜、そんな一面もあったなんて」
話すかは迷ったけれど、結城くんが二重人格だったということを話さない限りは話が進まないと、結城くんの裏の顔を悠陽ちゃんにも話したのだ。
「ね、私もびっくりした。でもどっちの王子様も好きじゃない」
「そんなこと言って、恋なんていつからか突然始まるものなんだから。いつの間にか好きになってるかもよ?」
「そ、そんな、ありえない……」
大嫌いな王子を好きなるなんて。
そんなことを微塵も想像出来ない。
「それで?玲央くんには連絡したの?」
悠陽ちゃんにそう聞かれて、ハッとする。
……そういえば。
昨日家に帰ってから、どっと疲れがきてすぐに寝てしまったことを思い出す。



