「なにかあったの?」



そんな大和くんのことが気になって、居てもたってもいられず、声をかける。



「玲央くんと喧嘩になったとか?」



悠陽ちゃんも気になっていたようで、私に続けてそう問いかけた。



「ちょっとな。俺らの中では解決したんだけどさ……」



大和くんの返事は、歯切れが悪くて。



全てが解決した訳では無いんだろうということが伝わってくる。



イライラしてきていた悠陽ちゃんは、その気持ちを大和くんにぶつけた。



「焦れったいのよ!何かあったなら、さっさと吐きなさい」



大和くんの為を思って言ったその言葉は、少し乱暴に聞こえるけど、そう言いながら背中を押した悠陽ちゃんの手は、とても優しかった。



「アイツは。玲央はきっと黙ってるだろうから……でも、俺はふたりにも伝えておくべきだと思う」



「勝手に伝えるのは悪いけど……」と頭をかいていたけれど、大和くんの中では、何かを決心したようだった。