それから中庭に戻り、また空を見上げる。
「はぁ」
……何やってるんだろうな。
「……見つけた。玲央」
「……大和、追っかけてきたんだ」
「まあな。そうじゃなくても、ここにいるんじゃないかと思ってたけど」
ゆっくりと近づいてきた大和は、僕の隣にあぐらをかいて座った。
「なぁ、大和」
「なんだよ」
「もうすぐ、色がなくなる」
静かにそう呟いた僕の声は確かに、大和まで届いていて。
過去の出来事を知る大和は、全てを察したようで、同じく静かに「そうか」と呟いた。
「まさかだけど、」
しばらくの沈黙の時間を置いてから、大和が話し出す。
「だから、茉莉ちゃんから離れたのか?」



