長い夏休み明け。



暦ではもう秋に入ったけれど、残暑でまだ暑い。



結城くんから別れを告げられたことは、花火大会の次の日、悠陽ちゃんに伝えた。



悠陽ちゃんは「そっか……」と話を聞いてくれて、少し心が軽くなった。



でも結城くんがどうして突然あんなことを言い出したのか、どうしてあんなに寂しそうな顔をしていたのか……



それは悠陽ちゃんと話しても、わからなかった。



2学期に入り、授業も本格的に始まる。



私の居眠り癖も治っているわけがなく、また注意される日々が続いていた。



しかし、その度に私にちょっかいをかけていた結城くんはもういない。



同じクラスにいるのに、まるで私は存在していないかのように……



結城くんの目に私が映ることはなかった。