「あーっ、もう!」



ルームウェアで過ごしていた私は、このまま出るわけには行かないと、クローゼットを開けて適当に服を引っ張り出す。



髪の毛なんて、綺麗にセットしている時間なんてなくて、手ぐしでささっとポニーテールを作った。



とりあえずメイクも終えた私は、急いで家を出た。



ドアを開けたところでふと大事なことに気がつく。



「……出てきてって私、どこ行けばいいの?」



そういえば、何も言ってなかったなと今になって思い出す。



「こんにちは、須藤さん」



「わあぁっ!」



どうしようかと、スマホを手に家の前の門を出ると、隣から声が聞こえた。



まさかそんな所に人がいるなんて思わない私は、あまりにも驚きすぎて尻餅をついてしまった。



「あはは…………っ、やっぱりバカだね、キミ」



「そ、そんなに笑わなくてもいいじゃない」



痛そうにお尻をさする私を見て、お腹を抱えながら笑う結城くん。



ちょっとムカついて、頬を膨らませた。