夏休みに入ってから数週間。
宿題は……やっぱり進まないけれど。
悠陽ちゃんから連絡が来て、一緒にショッピングモールに行ってサマーセールで安くなってる服をたくさん買ったり、ケーキバイキングに行ってお腹いっぱい食べたり。
それなりに有意義な時間を過ごしていた。
「暇だな……」
ふと窓の外を見れば、浴衣を着て歩く人がちらほら見える。
今日は、近くの夏祭り。
行きたいな、と思うけれど毎年一緒に行っていた悠陽ちゃんは、運悪くバイトが入ってしまいキャンセル。
一緒に行こうと楽しみにしていた悠陽ちゃんは、とても残念そうにしていた。
ここの夏祭りでは、一緒に花火大会も行われていて、一大イベントなのだ。
「今日はひとりか〜」
行く人がいなきゃ行っても虚しいだけ。
ふっと鳴らないスマホを見て思った。
そういえば……結城くんから連絡来てないよね?
終業式の日、"僕が呼んだら絶対来ること"なんて言って、私に拒否権はないとか何とか言ってたくせに、一つもメッセージは入っていない。
まさか……と思って1度LINEのページを開いてみたけれど、やっぱり連絡は入っていなかった。



