やめて、置いていかないで……
ドアを開けられないまま、授業が始まるベルが鳴る。
今日は無断欠席だ。
このままここからずっと出られなかったらどうしよう。
さっき、図書室の窓から出られないかと思ってみたけれど、古すぎて鍵が壊れていて、びくともしなかった。
何も出来ない私は、ドアの前でうずくまる。
誰か、誰か……。
目をつぶると、浮かんできたのは結城くん。
なんで、なんでこんな時にも結城くんなの。
私がこうなった原因は結城くんなのに。
なんで、結城くんが来てくれないかと期待してるの?
あんなに、大嫌いなはずなのに。
時計の針の音だけが響く図書室は不気味で……
ただ怖くて、怖くて涙が零れた。



