「ごめん、悠陽ちゃん。朝からちょっと先生に呼ばれててさ……」
「えぇ?朝から?ちょっと茉莉。あんた次は何やらかしたの?」
「あはは、ちょっとね……」
私は笑えていただろうか。
「ねぇ、茉莉。大丈夫?私もついてこうか?」
悠陽ちゃんはやっぱり鋭い。
きっと私が変なことに気づいてる。
でも……大切な悠陽ちゃんを巻き込みたくないんだ。
だから、自分で何とかする。
「大丈夫だよ。終わったらすぐ教室行くからさ。先行ってて?」
「わかった。絶対……すぐ帰ってきなさいよ」
「うん」
私が頷いたのを確認すると、悠陽ちゃんは私の方を気にしながらも教室の方へと歩いていった。
ごめんね、悠陽ちゃん。
私は、拳を固く握って、あまり使う人がいない図書室へと向かった。



