「ありがとう、助かった」
私の家の前までつき、結城くんにお礼を言う。
しかし、結城くんは私の家に着いたというのに、なかなか下ろしてくれない。
「あの……」
「キミの家の鍵どこ」
「えっと、カバンの小さいポケットの中に……って、えぇ?」
がさごそとカバンの中から鍵を出した結城くんは、そのまま私の家の中へと入っていく。
「ちょ、ちょっと……」
「お母さん仕事なんでしょ?僕は宮野さんに頼まれてんの。大人しくしてて」
悠陽ちゃんに言われてるなら仕方がない……ってそういう問題じゃないよ!
今まで男の子を部屋に上げたことなんてないのに!
ちゃんと部屋の中片付けてあったかな……
なんていらない心配をする。
結城くんに聞かれながらたどり着いた私の部屋は、人を入れても恥ずかしくない程度には綺麗に片付いていた。
とりあえずそれにほっとする。
「ちょっとキッチン借りてもいい?」
突然そんなことを言われたものだから、思わず「うん」と答えてしまう。
「早く着替えて寝ててね」と結城くんは言い残して、部屋を出て行った。
確かに汗をびっしょりとかいた制服は着心地が悪い。
結城くんが出ていったのを確認してから、部屋着に着替えて、言われるがまま布団に入った。



