「……う、…藤。須藤!!」



私を呼ぶ声は、とても大きく聞こえた。



「……は、はいっ!」



びっくりした私は、まるで反射のようにすっと手を挙げて立ち上がる。



「……はっ」



そこまでして、からやっと気がつく、今の状況。



立ち上がったことで、目の前に立っていた成宮先生の顔がドアップに映る。



耳からはクスクスとクラスのみんなの笑い声が聞こえてくる。



……これは、やってしまったのでは?



寝ていた事が、またバレてしまったという焦りと、突然立ち上がりクラスのみんなに笑われるという恥ずかしさで、顔は赤く染まるし、冷や汗は止まらないしで、大パニックだ。



「おい、須藤。」



「は、はい……」



これはもう、覚悟するしかない。



「俺の話も聞かず、授業も寝るなんていい度胸してんな?褒めてやらなきゃいけないなあ?」



ひいいいいぃっ!




笑っている成宮先生。



でも、目は少しも笑っていない。



「す、すみませんでしたっ……!」