弘人が慌てて電話しているのが分かる。



私は目を開けるのも辛くてその場にうずくまる。



「志帆!!!」



多分・・・・恋?



恋の姿も見ることが出来ない。



「今救急車呼びました!!」



「よし!弘人、志帆のこと保健室に連れていくぞ。・・・・志帆、大丈夫か!?今運ぶからな!!」



監督にそう言われて誰かが私に触れる。



「・・・・・・だ、れ?」



「俺、弘人!!志帆今運ぶからな!!しっかりしろよ!!」



あぁ、弘人か。



また迷惑かけちゃったな。



痛みはずっと続いているけど、頭はやけに冷静になっている。



「嫌っ!!志帆、志帆!!ねぇ、返事してよ!!」



恋?



ごめんね。



そこまで声でないや。



私は弘人に抱えられて保健室に行く。



それと同時に救急車の音がした。



「弘人!!保健室の前に救急車来るから乗せられるか!?」



「はい!!大丈夫です!!」



「じゃあこちらにお願いします!!」