次の日、卒業式。



私はぼーっとしていて、楽しみだった卒業式もあっという間に終わった。


ずっと昨日言った大樹の言葉が頭から離れない。


お姉ちゃんみたいなもんだもん、か。


それはハッキリと私は恋愛対象じゃないって言われたのと同じ。


告白する前に、振られたのかな。



卒業したら新しい毎日が始まって、毎日毎日楽しくて、たくさん新しい友達ができるって楽しみだったのに。



いつか、大樹に自分の気持ち伝えるって思ってたのに。



今はポカーンと穴が空いて、大樹や恋を見るだけで心が痛い。



大樹は今日、恋に告白するんだろうか。



私は式が終わると1人そっと体育館を出た。



体育館ではみんなが写真を撮っている。



すると後ろから私を呼ぶ声が聞こえた。



「志帆!!」



カメラを持ってきたのは恋。



「どこいくの?志帆のお母さん探してたよ?」



「トイレに行こうと思って。」


恋に適当な嘘をついた。



「そっか。なんか、みんなで写真撮ろーって言われたんだけど。」



「みんな?」



「うん。大樹と私と志帆!!お母さん達待ってるよ!!行こっ!!」



綺麗な笑顔をする恋。



そりゃ、好きになるよなー。


こんなに可愛く笑うんだもん。



「うん。行こっか!!」



私も笑って恋と一緒にまた体育館に戻る。



「連れてきたよー!!」



恋がそう言うと、私のお母さんとお父さん。



それに恋のお父さんとお母さんと大樹のお父さんとお母さんがカメラを持っていた。



「さぁ、撮るわよー。そこに並んで!!」



すると恋がギュッと私の腕を掴んで言った。



「志帆は私の隣!!」



そう言うと大樹がちょっとだけ悲しそうな顔をした。



「ごめんね、大樹。」



小声で言うと大樹は首を振った。



「全然。慣れてるよ。」



そう言って笑った。