「そーいえば志帆は花火行けるの?今年も。」



「あっ、うん。空いてるよ。でも、・・・・・えっと、」



「弘人と行くのか?」



椅子に座りながら大樹が言う。




正直、大樹の口から言われるのはキツい。



「うん。だから、大樹頑張ってね!!恋と一緒に行ってらっしゃい!!」



私が向かい側に座って言う。




ちゃんと笑えてるかな?



「うん。ありがとう。・・・・・志帆が気ぃ使ってくれてるの分かるよ。だから、ありがとう。」



「うん。」



そっか。



大樹に伝わってたんだ。



それだけちょっと嬉しくなる。



「でもさ、どうやって誘えばいいかな。いつもは3人で行ってたけど、急に2人って気まずくね?」



「大丈夫だよ。私が弘人と行くからって言えばいいんだよ。そしたら、大丈夫。」



「そっか。そうだな!流石志帆!!やっぱり志帆には感謝してもしきれなーわ。」



大樹が嬉しそうに笑う。



それだけで胸がキュッと締め付けられる。




「ううん。そんなことない。」



「それとさ、もう一つ相談なんだけど。」



「うん。なに?」



「・・・・・・・俺さ、祭りの時に恋に告ろうと思う。」




大樹の顔が少しだけ赤くなる。




「・・・・・・・・・・え?」



恋に、告白?



私の頭はカチーンと固まって、ただ見つめることしか出来ない。