2人がいつもケンカするから、私が仲裁に入るのがお決まり。



「はいはい。2人とも。それぐらいにしてー。恋はまずこれを解く、大樹はそれを見守る。分かんない時に大樹に聞くこと。いい?」



「え?志帆は?」



キョトンとした顔で恋が私を見る。



そりゃもちろん、



「え?私は自分のテスト勉強。」



「「ずるい!!」」



二人して立ち上がって何を言ってるんだ。



「ずるくないよ。ほら、早く宿題やりなさい。」



「じゃあ、終わったら教えてください!志帆様!!」



恋が頭を下げる。



「俺もお願いします!!数学以外!!」



真似して大樹も頭を下げる。



「はぁー。仕方ないなー。早くしてよ?」



結局許してしまうのが、いつものパターン。



「「さすが志帆!!」」



嬉しそうに喜ぶ2人。



いつもハモるよなー。



実はそんなところがちょっと羨ましい。



だって大樹が、好きだから。



私は中学1年の冬に大樹が好きだと確信した。



でも、恋には言ってないんだ。



親しいからこそ言いにくい。


もし恋に教えて、この今の関係が崩れたら嫌だなーって思うから。