私が行かないでって言ったら、君はここにいてくれますか?

「じゃあ、また明日ね!」



「うん。また明日。」



私は恋と別れて1人で歩き出す。



今にも零れ落ちそうな涙を堪えて。



泣いちゃだめだ。



そうだ!



楽しいことを考えればいいかもしれない!



まず、京都に行って、写真撮って、八ツ橋食べて、着物来て・・・・



うん。楽しいことだらけだよ。



私はスマホを開いて弘人にメッセージを送る。



[メンバー、私と弘人、それから恋と大樹になりました。]




それだけ送って私はスマホをポケットに入れた。



とにかく、京都で楽しめますように。



たった1日だけなんだから。



楽しみたい。








「志帆ーーーー!バス隣に座ろーー!!」



朝からテンション高めの恋に圧倒されてます。



さぁ、行くぞ京都!!



ってことなんだけど、さっきから私に抱きつく恋を見て大樹が怒ってます。



「ちょっ、恋!離れて!」




「おっ?ごめんよ。」



「私ちょっと下駄箱に忘れ物したから先にバス乗ってて。」



そう言って私は昇降口に向かう。



通りすがりに大樹の耳元で、



「早く恋の隣に座ったら?」



そう言って廊下を歩く。



ふと振り返ると大樹が嬉しそうに恋と話しているのが見えた。



よし、上手くいった。



私は階段の端っこで立ち止まった。



忘れ物なんて嘘嘘。



もう少ししてから行けばちょうどいいかなー。



「忘れ物は見つかったの?」



弘人が私のリュックを背負って階段を降りてくる。



「えっ!?弘人!?なんで?」



「志帆が忘れ物したって言うから手伝ってあげようかなーって。その必要ないみたいだけど。」