私が行かないでって言ったら、君はここにいてくれますか?

さり気なく繋がれる手にもだんだん慣れてきた。



海の風が少し冷たい。



「ごめん。寒いよな?」



「ううん。大丈夫だよ。」



「ここ座ろ。」



「うん。」



弘人が砂浜に大きめのタオルをひいてくれた。



ここに来る予定だったのかな?



しばらく海を無言で見ていると弘人が口を開いた。



「ここさ、・・・・・・・俺が迷子になった場所なんだよ。」



「ふぇっ!?出た!!弘人の迷子ボーイの話!!」



「なんだよ、迷子ボーイって!!俺に変なあだ名付けないでよ!!」



「だってー。それで?迷子になった場所なの?」



「うん。・・・・・・・・・それと、俺の大好きな場所でもある。」



弘人が嬉しそうに話す。



「子供の時に家族と来て、1人で迷子になって、そん時辿り着いたのがここだった。・・・すっごい綺麗だった。海が。自分が迷子ってことも忘れてずーっと見てた。」



「じゃあ、迷子になって見つけた最高の場所なんだね。」